車を購入するときには、まとまった購入資金が必要です。また、販売店で見積もりを取る、試乗するなど、納車までにはいくつか段階があります。そのため、余裕をもって車選びや購入資金の準備を進めることが大切です。
この記事では、車の選び方や購入先、購入の具体的な手順を解説します。車にかかる費用や購入時の支払い方法も説明するので、車の購入を検討している人は参考にしてください。
車の買い方の流れを確認する
車を買うときは、販売店で相談しながら進められます。そのため、買い方自体は難しくありません。
- 車を決める
- 販売店で説明を受けて試乗する
- 契約する
- 納車する
ただし、車種や購入先選び、購入の手続きに手間がかかります。
また、車の購入にはまとまった初期費用が必要なほか、持っているだけで維持費がかかり続けます。車の購入は、人生三大支出(住宅資金・教育資金・老後資金)に並ぶほどマネープランに大きく関わってくるため、計画的に準備を進めることが重要です。
車はどうやって選ぶ?
車を見た目で選ぶのもひとつの手段ですが、見た目だけで選ぶと購入してから後悔する可能性があります。車を選ぶときのポイントを知り、後悔しない車選びをしましょう。
- 先に予算を決める
- 用途に合わせて選ぶ
- 新車と中古車を選ぶ
先に予算を決める
車を購入すると、まとまった初期費用に加えて、乗り始めてからの維持費もかかります。そのため、車を選ぶ前に予算を決めて、無理なく支払える車種やグレードを選ぶことが大切です。ここでは、コンパクトカーを例に初期費用の目安を紹介します。
車両価格 | 約130万円~ |
自動車税種別割 | 30,500円(※1) |
自動車税環境性能割 | 0~3%(※2) |
自賠責保険料 | 27,770円(契約期間37か月の場合) |
自動車保険(任意保険)料 | 自動車保険によって異なる |
車庫証明費用 | 2,700円程度 |
新規検査登録にかかる費用 | 10,000円~30,000円程度 |
納車費用 | 5,000円~30,000円程度 |
- ※1総排気量1リットル超~1.5リットル以下の場合
- ※2車両重量1トン超1.5トン以下の場合
負担を抑えて車を購入したい方は、軽自動車も検討しましょう。軽自動車は車両価格が比較的安く、税金や保険料も抑えられます。
用途に合わせて選ぶ
車の使い方や家族の人数に適した車種を選びましょう。普段の買い物や近距離の通勤なら、小回りのきく軽自動車やコンパクトカーが便利です。
家族のレジャーがメインなら、ワゴンやミニバンがおすすめ。家族の人数が多いなら、荷室の広さや室内空間の広さにもこだわりましょう。
また、長距離の移動が多い場合は、乗り心地の良さも重要です。
新車と中古車を選ぶ
新車と中古車のメリット・デメリットを知り、どちらを選ぶのかを決めましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
新車 | ・カラーやオプションを自由に決められる ・エコカー減税を受けられる車が多い ・最新の設備が搭載されている |
・購入価格が高い |
中古車 | ・安く購入できる ・旧型モデルも購入できる可能性がある |
・自分が希望する車が見つかるとは限らない ・整備の状態を知るのに限界がある |
新車は、カラーやオプションを自由に決めることができます。また、安全性能や燃費性能など最新の設備が搭載されているのもメリットです。エコカー減税により税金の負担を抑えられる可能性もあります。
中古車は、一般的に新車と比べて安く購入できます。グレードの高い車種も選択肢に入れやすく、より多くの車から選択できるでしょう。新型では購入できないモデルに出会える可能性もあります。
ただし、欲しい車種やグレード、カラー、オプションの車が見つかるとは限りません。
また、中古車は、整備の状態を知るのに限界があります。中古車を選ぶときは、どのような整備が行われているかが記録された「点検整備記録簿」を見せてもらい、消耗品が適切に交換されているかなどを確認することが大切です。
また、修復歴の有無や傷・へこみの有無やタイヤの状態、各装備が正常に動くかを慎重に見極めましょう。気づかないところで部品の劣化が進んでいると、不具合が起きやすく、維持費がかかる傾向があります。
中古車は、初期費用は抑えられますが、必ずしも新車よりお得とはいえないのでよく検討してください。
車はどこで購入する?
車の購入先は、主にディーラーと中古販売店です。それぞれの特徴を知り、購入先を決めましょう。
ディーラー
ディーラーとは、メーカーと特約店契約を結んだ正規の販売店のことで、特定のメーカーの車のみ取り扱っています。
価格は高めですが、その分手厚い保障やアフターフォローを受けられるのが特徴です。
ただし、メーカーが決まっていない場合は、複数のディーラーを回る必要があります。
ディーラーから車を仕入れて販売するサブディーラーもあります。サブディーラーは、メーカーと特約店契約を結んでおらず、複数のメーカーを取り扱っているのが特徴です。
ディーラーより安く購入できる可能性がありますが、販売店によってサービスや保証にばらつきがある点に注意しましょう。
中古販売店
中古販売店は、さまざまなメーカー・車種の中古車を取り扱う販売店です。ひとつの販売店で複数のメーカーや車種を比較できます。
ディーラーと比べて安く購入できる傾向にありますが、適正な価格なのか判断がつきにくい点には注意が必要です。
また、ディーラーの販売店や大手・街の販売店などさまざまな販売店があり、サービスや接客、整備の質が大きく異なります。そのため、多くの販売店のなかから、信頼できる業者を見つけなければなりません。
ディーラーが下取り車を中心に販売する中古販売店は、品質が安定しており手厚い保証やアフターサービスが受けられます。ただし、価格は高めです。
車の具体的な買い方は?
ここからは、車を買うときの具体的な手順を解説します。
- 購入する車選び
- 見積もり
- 必要書類の準備
- 契約・支払い
- 自動車保険の加入
- 納車
購入する車選び
予算を決めた上で、用途や乗車人数に適した車を選びます。各メーカーがオンライン見積もりを提供しているので、予算と合うかシミュレーションしましょう。
気になる車は、実際に販売店に出向いて試乗してみることが重要です。使いやすさや乗り心地のよさなど、実際に乗ってみないとわからない点を確認しましょう。
見積もり
お店で見積もりをとってもらう際は、事前に電話やホームページで予約しておくとスムーズです。
予算とのバランスをみながら、グレードやオプションなどの詳細を決めていきます。見積もりには、車両価格やオプション、手数料、税金、割引などが細かく記載されているので、すべての項目に目を通しましょう。
ほかのメーカーの車種と迷っている場合は、見積もりを見せれば、購入価格の値引き交渉をしやすくなる可能性があります。
必要書類の準備
車を購入する際に必要な書類は、主に以下の2つです。
- 自動車保管場所証明書(車庫証明):車の保管場所(駐車場)を確保していることを証明する書類
- 印鑑証明書:本人の印鑑であることを証明する書類
自動車保管場所証明書を取得するには、警察署での手続きが必要です。申請書、保管場所の所在図・配置図、使用する権原がわかる書類(賃貸借契約書の写しなど)を提出して申請しましょう。
交付までには時間がかかるため、申請と交付で2回警察署に出向かなくてはなりません。一般的には、ディーラーなどの有償サービスで車庫証明の取得を依頼できます。
また、取得には2,600円程度の手数料(申請手数料と標章交付手数料)がかかります。手数料は自治体によって異なり、東京の場合は、申請手数料が2,100円、標章交付手数料が500円です。
印鑑証明書は、お住まいの自治体に交付を申請しましょう。印鑑登録をしていない場合は、登録してから発行します。
なお、軽自動車の場合、自治体によっては自動車保管場所証明書が不要です。また、印鑑証明書がいらない代わりに住民票が必要となります。
上記書類のほか、委任状、自動車検査証(車検証)、自賠責保険証などの書類は、販売店が用意してくれます。
契約・支払い
契約内容を説明しながら進めてくれるので、間違いがないかをしっかり確認して契約を結びます。
支払い方法は、主に以下の3つです。
- 現金一括購入
- カーローン
- 残価設定型クレジット
現金での一括購入は、利息が発生しないため総額が最も低くなります。
ただし、まとまった資金を用意しなくてはなりません。乗り始めてから維持費がかかることも踏まえ、現金で支払えるのかを検討しましょう。
カーローンは、車の購入資金に充てられるローンのことで、主にディーラーローンと金融機関のローンがあります。
ディーラーローンは、ディーラーで手続きできるため、手間はかかりませんが、一般的に金利が高めです。また、一般的に完済するまでは所有権がディーラー側にあるため、売却などに手間がかかります。
金融機関のカーローンは、販売店では手続きできないため手間はかかりますが、比較的低金利で借りられるのが特徴です。
残価設定型クレジットは、車の価格から一定期間後の「残価」を差し引き、残りの金額を分割で支払う方法です。残価を差し引く分、毎月の支払いの負担を抑えられます。
期間終了後は、新車に乗り換える、返却、買い取るなどの方法があります。車の所有権がディーラー側にあるため、長く乗り続けたい人は残価分を払わなくてはなりません。したがって、残価設定型クレジットは短期間で乗り換えたい人に適しています。
自動車保険の加入
車に乗り始める日までに、自動車保険(任意保険)の加入手続きを済ませましょう。
自動車保険の加入は任意ですが、自賠責保険(強制保険)では足りない部分をカバーできるので、多くの方が加入しています。補償内容や金額は、自動車保険やプランによってさまざまです。
自動車保険には、代理店型とダイレクト型があります。代理店型は、相談しながら進められるため知識がなくても必要な補償を用意しやすい一方で、保険料が高めです。
保険会社と直接やりとりをするダイレクト型は、保険料が安い傾向にあります。ただし、インターネットや電話で直接手続きするため、自分で調べて補償内容の理解や比較をしなければなりません。
なお、買い替えの場合は、自動車保険の車両入替手続きが必要です。
納車
場合によっては、納車まで数か月以上かかるケースもあります。契約前に確認しておきましょう。また、納車の方法には、販売店で受け取る方法と自宅に届けてもらう方法があります。
車は購入後も費用がかかる
車は、乗り始めてからも税金、自賠責保険料、任意保険料、メンテナンス代などの維持費がかかります。
「2021年度 乗用車市場動向調査」によると、車の年間維持費を「10万円超20万円以下」と回答した方が最も多く約3割を占めており、「50万円以上」と回答した方も1割以上いました。
また、自動車税は1年分、自動車重量税と自賠責保険料は2年分(新車購入時は3年分)をまとめて支払うため、1回あたりの金額が大きく負担になる可能性があります。
安全に走行するには、オイル・ワイパー・タイヤなどの定期的なメンテナンスも欠かせません。メンテナンスを怠っていると、事故やトラブルのリスクが高まり、突然高い修理代がかかる可能性もあります。さらに、燃費が悪くなりガソリン代も高くつきやすくなるでしょう。
車を購入する際は、初期費用だけでなく購入後の維持費も踏まえて予算の計画を立てる必要があります。メンテナンス費用や税金分を毎月少しずつ積み立てるなど、急な出費やまとまった出費に対応できるような備えが必要です。
車を買わない「カーリース」の選択肢もある
車の購入には、計画的な準備や初期費用が必要であり、手続きの手間もかかります。まとまった費用や手続きの負担を抑えて車に乗りたい方は、カーリースの利用も検討しましょう。
カーリースは、リース料金を支払うことで車を長期間借りられるサービスです。一時的に車を利用するのとは違い、数年単位で借りられるため、購入したのと同じようにいつでも車に乗ることができます。
また、カーリースは基本的に初期費用0円で利用でき、毎月のリース料金は定額です。そのため、家計の計画も立てやすくなります。
月々定額、コミコミで新車に乗れる「ENEOSカーリース」
「ENEOSカーリース」は、初期費用なし、定額の月額料金を支払うだけで新車に乗れるカーリースです。国内新車販売台数上位の人気車種がそろっており、幅広い選択肢から用途に合った1台をお選びいただけます。
月額料金に自動車税や自賠責保険料が含まれており、納税に備えてまとまった資金を用意する必要がありません。
また、フルサポートパックなら、オイル・タイヤ・消耗品交換のメンテナンス費用、代車・修理費用も月額料金に含まれているので安心です。月額料金の範囲でメンテナンスや修理が行えるため急な出費が発生しにくく、車にかかる支払いを一定にできます。
さらに、ご契約時に「お客様サポートSS登録」をすると、ENEOSでの給油が10円引きになるため、ガソリン代の負担も軽減できます。
「ENEOSカーリース」は、お近くのサービスステーションで車を選び、審査申込み・契約をすれば利用できるため、手続きも簡単です。また、 webでの審査申込・契約も可能です。
「カンタン見積もり」では、毎月の支払い額をチェックできますのでお試しください。
まとめ
車の購入手続き自体は難しいものではありませんが、納得して購入するためにも計画的に車選びを進める必要があります。
また、まとまった初期費用と乗り始めてからの維持費がかかるので、あらかじめ予算を決めてお金の計画を立てておくことも重要です。
初期費用や手続きの負担を抑えたい人は、「カーリース」の利用も検討しましょう。初期費用0円で利用でき毎月のリース料金が定額なので、まとまった費用を用意できない方にもおすすめです。
監修者
松崎 観月
大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当し、資産運用の相談・保険販売などを経験する。退社後、CFP認定を取得。現在は金融に関する記事の執筆・監修を行う。これまでに執筆した記事は500本を超える。
資格情報:CFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級